目が覚めて、一番始めに感じたのはやはり痛みだった。
起き上がって、服を着替えて。朝食をとっている時にも感じる、わずかな痛み。

原因は分かっている。先日不注意で負ってしまった足の怪我だ。
ウォン先生に治療してもらったし、日常生活にはさほど支障はない。
しかしやはり完全に痛まないという訳ではなく、これから今日もまた結構な距離のある鍛冶屋まで歩かねばならないと思うと、気が重かった。


だからといって、仕事に遅れるわけには行かない。
重い腰を上げて、扉に手をかけようとした瞬間。

トントン、と音がした。扉を叩く音だ。
こんな朝から誰だろう。少し怪しみながら扉を開ければ。



そこには、彼女がいた。



「おはよう、ボクの王子様。
 ボクの白馬に乗って、鍛冶屋までデートと洒落込みませんか?」


にっこりと笑った彼女の後ろには、彼女自慢の真っ白な愛馬。
そういえば昨日の彼女は、自分の怪我に気が付いて、心配の後意味ありげに笑っていたのを思い出した。


……ああ、なんて滅茶苦茶なお姫様なんだろう。
だけどなんて――


「……ええ、じゃあご一緒してもいいかしら? アタシの可愛い、お姫様♪」


愛しい、愛しいお姫様。
物語の中の王子様なんかよりよっぽど素敵な、白馬に乗ったお姫様。















〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

オネエ×ボーイッシュな子って萌えるよね!みたいな。
ジュリアカはもうどっちが右側だろうが左側だろうがいいんだ、二人が幸せなら。


BACK